結論:新型X-Forceの方が全て良いわけではない
どちらも乗車して体感できたのは、「街乗り」向きか「アドベンチャー嗜好と志向」なのか。X-Forceの公式サイトには
「X FORCE ABS」は、”Master of Street Scooter”をコンセプトに、通勤・通学に快適・便利かつ乗って楽しいモデルとして開発しました。 by yamaha official webpage
など記載されていたが、この二つで比較するとやはりX-ForceはADVを意識したように見えて仕方がなかった。
それではこの二つスクーターについて「違い」を深堀していく。
走行時の体感の違い
カタログの比較、そしてどちらも体感に基づいた比較をするなら以下の4点が気になったのでピックアップさせていただきます。
- 加速感とVVA
- 剛性、足回り
- 最高速度
加速感とVVA
よくこんな議論がされている。そしてYoutubeのコメントにもたくさん来るのが「どっちが速い?」
後述するがVVA機構が搭載されているX-Forceの方がやや速かった。
0-60km/hまでの加速ではどちらも公道では十分な加速をしてくれます。
タイム的にはそこまで大差はありませんが、ググッとパワフル感があるのはやはりX-Forceで2バルブの恩恵(VVA)を体感できるのがやはり新型VVA搭載バイクの魅力。
剛性と足回り
乗車したマジェスティ 155は少し古いモデルだがそれでもX-Forceとの足回りの差ははっきりしていた。やはりX-Forceは最近の流行りを追ったのかADV(アドベンチャーっぽいが実は乗るとスポーツタイプと実感する足回り)と非常に似ていた。
それに比較してマジェスティ 155は街乗りもこなせる「通勤通学」モデルで足回りは比較的柔らかく、こちらの方が新型だとスポーツタイプに見えるのだが…そうでもなかった。
結論:どちらもタイムは差がなし。だが低回転の走り心地はX-Forceに軍配(個人的な意見)
最高速度
マジェスティSの最高速度は90-100km/hほどしかでなかった。メーター読みでだったのでGPS計測だとさらに下がることになる。Youtubeのコメントではそれは不良では?という声も多かったので新型を乗車して試してみたい。
一方のX-Forceは先ほどの動画で公開している通り、100km/hは余裕というわけではないが一応は出た。100km/h以上を常時維持しようとすれば常にVVAと画面に表示される通り4バルブでの走行。
走行したのは国内でも突風と横風がひどいであろう「関西空港までの連絡橋」本土から人口島の橋には横風を遮るものが一切なく、ものすごい横風が容赦なく吹いている。130kgほどしかないX-Forceの安定性は後述させていただきます。
積載容量
詳しい積載容量の説明は以下の動画にてしているので併せて確認していただければわかりやすいかと思います。
X-FORCEについては徹底解説レビューとして積載容量をレビューもしています。
少し散乱しているが「X-forceのシート下」になります。
カタログ数値ではマジェスティSの方がシート下積載容量は圧倒的に有利ですが、X-Forceは深さがある分高さがあるものは入れやすいといった印象。だが、私のヘルメットは入らなかった。250ccクラスのビクスクでしか入ったことがないので気にしてはいないが…
外観
これは好みが分かれるところだが最新モデルのマジェスティSではかなりビクスクのマジェスティに戻った顔つき。
旧式のマジェスティS 155cc はこのようなフロントデザイン
X-Forceのリアとフロントのデザイン。フロントはゴツゴツしているが、リアはかなりスタイリッシュ。前から見るとアドベンチャー、後ろから見るとスポーツモデルなのか…
タンク容量
冒頭の結論に記載した通り「マジェスティS」が市街地走行向けなのは、何も足回りが柔らかいだけではない。タンク容量が大きく、そして航続距離がX-Forceより長いからだ。
市街地をちょっと超えてプチツーリング。毎日通勤通学に。タンクが大きい方がやはり給油回数は減るので便利。
燃費
ここで燃費にも触れておきたいが、新しいX-Forceとこの旧式のマジェスティSの燃費はそこまで差がなかった。マジェスティSが6-4年ほど型落ちしているモデルでもだ。
価格
これまた悩ましい価格設定になっている。
電装系
新しいからLEDじゃない。
そんなことは実際ない。X-Forceはハロゲンランプを搭載している。かといってこれが暗いわけではなかったのが良かった。
上がロービーム
上がハイビーム
ここは先ほど埋め込みしたYoutubeの動画を確認していただいた方がわかりやすい。画像では認識しずらいがかなり明るい。光量は十分。光軸がかなり上向きでハイビームの時は前方100m以上離れているトラックの運転手の目にも直撃しそう。
あとはデザイン。X-Forceはポジションライトがある。(そこに他の目があると「天津飯」に見えるのは僕だけだろうか)
一方のマジェスティはまさかのLEDを標準装備としている。
撮影時は残念ながら暗い時がなくLEDの光量、光軸を確認できなかった。
足つき
X-Forceが815mmでマジェスティSが795mm
僕の身長は182cmと平均より高い。あまり参考にはならないが、僕が乗るとどちらも足はベタ足だが、それでもX-Forceはシート後方に座ろうとすれば踵が浮いてくる。
だが足つきが良い一方でX-Forceはシグナスグリファスと横から見るとかなり似ていることが起因しているのか
足を置いたらかなり窮屈に感じられた。これは、マジェスティSではそこまで感じなかったが、X-Forceでは「グローブボックスの部分がかなり足に当たりそう」と思った。
もちろん足の長さによって感じ方は様々だが、スペースがあるのはマジェスティSかなぁと感じた。これがまた一つ通勤通学や街乗り向きだと感じた一つの理由
シート
X-Forceはやや硬め、マジェスティSの方がやや柔らかめといった印象だった。だが、マジェスティSのこのモデルはシートが直線的ではなくかなり傾斜がついていた。
これはマジェスティ125fiも同様だがタンデムシート部分と仕切られているように感じた。マジェスティSはそこまで仕切りがあるわけではないが、シートが斜めでかなりデニムズボンでもずり落ちてきた。
やや写真のアングルのせいでもあるが、こちらはあまりタンデムシートとの仕切りが目立たない、そしてシートもマジェスティSと比べてフラットに近いため一人乗りだとこちらの方が座っていてシートは良かった。
取り回し
正直変わらない。というのが本音だが、X-Forceの方がハンドルが重いように感じれた。車両全体で前後の重量比がX-Forceの方が前の比率が大きいような気がする。
一方マジェスティSは典型的なスクータータイプで後方の重量比重が高いように感じたが、ハンドルの操作は軽いといった特徴もある。
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